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ばんばひろふみ!ラジオ・DE・しょー!

番組内容

おバカなコーナー盛りだくさん!
ラジオの天才!バンバンが繰り広げるショータイムです!

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  • 2018年4月4日(水) 19時43分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク『レッド・スパロー』 (2018.4.4水)

    ーーーおたかのシネマでトーク

    今日は「レッド・スパロー」をご紹介しました。 

    公式サイト⇒ 映画『レッド・スパロー』オフィシャルサイト

    監督 フランシス・ローレンス

    出演 ジェニファー・ローレンス

       ジョエル・エドガートン

       マティアス・スーナールツ

       シャーロット・ランプリング

       メアリー=ルイーズ・パーカー

       ジェレミー・アイアンズ

     

     

    原作を書いたのが、33年間CIAで工作員として活動していたというジェイソン・マシューズ。
    デビュー作でいきなりベストセラーに躍り出た2013年出版のこの作品は3部作の1作目だそうで、後の2作も映画化されるのでは・・・?という期待大。

    ステージでの事故で足に大けがを負い、ボリショイバレエ団のプリンシパルの座を失ったドミニカ・エゴロア(ジェニファー・ローレンス)。
    難病の母を抱え、生活にも困るようになった彼女に救いの手を差し伸べたのが、ロシア情報庁の幹部である、叔父のワーニャ(マティアス・スーナールツ)。
    彼の仕事を引き受けたところから、人生は一変し、スパイ学校に強制入学させられ、あらゆる分野のテクニックを学び、やがて立派なスパイ=スパローとなった彼女は、ロシア情報庁の上層部に潜むアメリカとの内通者を探り出す任務に就くことになる。

    ブタペストで、CIAのエージェントのネイト・ナッシュ(ジョエル・エガートン)に近づき、ハニートラップをかけたドミニカだったが、いつしか恋に落ちてしまった二人。
    許されぬ恋の行方に待ち受けていたのは、アメリカとロシア、2つの国から狙われることになる、壮大な闘い!

    スパイといえば、ジェームズ・ボンドやジェイソン・ボーンやイーサン・ハントといった、派手なアクションでみせる男性スパイものが有名ですが、この作品のドミニカは女性で、しかも普通の女性、アマチュアが無理やり訓練されてすごいプロのスパイになるという設定が面白い。

    実際、スパイを養成するスパロースクールなるものが、ロシアのヴォルガ川の岸辺にあったと、原作者が述べているが、自らの全てを使いターゲットを堕とせ、心を捨て国家の為に道具となれ!と、監督官(シャーロット・ランプリング)の指導の下、正に過酷な学校での訓練や拷問のシーンなど、リアルで肌がチリチリするような恐怖すら感じる。

    ジェニファー・ローレンスはバレエシーンの為に、有名な振付師やトレーナーに1日3時間、3か月の特訓を受けたそうだが、勿論頑張った成果は出ているものの、体形がバレリーナのそれとは違うところが残念!
    監督は、ジェニファーと「ハンガーゲーム」3部作を撮ったフランシス・ローレンス。

    昨今のきな臭い現実に、単なるフィクションとは思えないような恐怖と興味をかきたてられて、あっという間の2時間20分でした!

    ★おたか★

  • 2018年3月28日(水) 16時28分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『クリスティーン』

    今日紹介した 映画 は…

    クリスティーンでした!

     

    監督
     ジョン・カーペンター

     

    出演
    キース・ゴードン
    ジョン・ストックウェル
    ロバート・プロスキー
    ハリー・ディーン・スタントン
    クリスティーン・ベルフォード
    アレクサンドラ・ポール

    車は女性名詞ではないけれど、そのフォルムなども考えると、男性よりは女性なのかもしれない。

    クリスティーンという女性名で呼ばれる1台の車、1958年型の赤のプリマス・フューリーが人を襲い、殺してしまうという怖い映画、1983年製作のアメリカのホラー映画「クリスティーン」が、今月のオタシネクラシック。

    スティーブン・キングの原作をジョン・カーペンターが監督したという、ホラーファンにとっては夢のようなコンビで作られた作品。
    アメリカでは原作の出版前から映画化の企画がスタートし、カーペンター監督は5週間で撮影を終了するなど、ベストセラーになった原作の勢いを借りての公開だった為、まあまあのヒットを記録したけれど、翌年の1984年5月に公開された日本では2週間で上映を打ち切られるなど、惨憺たる結果に。

    そもそも、モダンホラーの代表的作家といわれ、小説では多くのベストセラーを出しているスティーブン・キングだけれども、映画化された作品でヒットしたのは「スタンド・バイ・ミー」「ショーシャンクの空に」「グリーン・マイル」などホラーではないものが多いのが不思議。

    長編の原作を110分の映画にする為、持ち主の怨念がとりついた車と、その車を手にした青年とその母親との愛憎劇というストーリーがバッサリとカットされ、そもそも車が製造過程から邪悪な意志を持っていたとされたあたりから、原作とはちょっと方向性が違ってきたのかも?

    ともあれ、いじめられっ子の気弱な高校生アーニー(キース・ゴードン)が手に入れたボロボロのクリスティーンと名付けられた赤い車には過去があり、20年前、デトロイトで作られていた時から、工員がボンネットに腕をはさまれて大けがをしたり、車内で謎の死を遂げたリ・・・。
    車の持ち主になった人にも不幸をもたらしてきたらしいこの車に魅せられてというより、魅入られて貯金をはたいて買ったアーニーにも、変化が。

    なんと、学校一の美女リー(アレクサンドラ・ポール)と付き合い始めたリ、どんどん精悍な風貌で粗野な性格に変わっていくアーニー。
    そして、呪われた過去を持つクリスティーンは、自分を破壊しようとした不良たちを殺し、異変を感じ取ったアーニーのガールフレンドのリーも殺そうとする。
    アーニーをクリスティーンの支配から救い出そうと、友人のデニス(ジョー・ストックウェル)とリーはブルドーザーでクリスティーンに戦いを挑むのだが・・・。

    同じキング原作の「キャリー」と同じく、青春学園もののサイコスリラーとしては、面白い出来。

    カーラジオから流れる曲が意味深なところは、音楽も担当しているカーペンター監督の音楽家としての腕の見せ所でもあり、ちょっとアナログチックな車の自己再生シーンなど、視覚効果の面でも楽しませてくれる作品です!

     おたか 

  • 2018年3月23日(金) 15時06分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『ペンタゴンペーパーズ』

    今日紹介した 映画 は…

    ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書でした!

     

    監督
     スティーブン・スピルバーグ

     

    出演
    メリル・ストリープ
    トム・ハンクス
    サラ・ポールソン
    ボブ・オデンカーク
    トレイシー・レッツ
    ブラッドリー・ウイットフォード

     

     

    監督スティーブン・スピルバーグ、主演メリル・ストリープ&トム・ハンクス。
    今、考えられる最強のトリオ。
    アカデミー賞の常連だし、時代を読む目、作品の選択眼も鋭い3人が、政府の機密文書と報道の自由、新聞ジャーナリズムとの関わりをテーマに作ったのがこの映画。

    1967年に当時のアメリカ国防長官のロバート・マクナマラの指示で作成されたペンタゴン文書。
    58220人のアメリカ兵が亡くなった不毛なベトナム戦争。そのベトナム戦争に関する事実が隠蔽され続けてきていた事実を記した7000頁にもわたる機密文書。

    海兵隊員として2年ベトナムに赴き、戦争の実態を目の当たりにして政府に幻滅した、政府出資のシンクタンク、ランド研究所の軍事アナリスト、ダニエル・エルズバーグがニューヨーク・タイムズにコピーを渡し、情報提供したことから、世に知られるようになったこの文書。
    公式に国民に公開しようと連邦議会の議員に接触したものの失敗し、NYタイムズの記者に託したのだ。
    そして、1971年6月13日、このニュースはNYタイムズの紙面のトップを飾った!
    ところがその2日後、ニクソン政権は国家の安全保障を脅かすとの理由で、記事の差し止め命令を出した。

    当時、アメリカの全国紙で唯一の女性経営者が率いていたのが、ワシントン・ポスト。
    社主で発行人のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は、夫の死後、専業主婦からアメリカ主要紙初の新聞発行人となった女性。
    ボスが女性であるというだけで、あからさまに嫌な顔をする古株の社員もいて運営も大変、加えて、経営危機を乗り切るために、株式を公開しようとしたタイミングで起こったこの事件。
    全コピーを手に入れたワシントン・ポスト紙でも、この文書を追っかけて掲載するのか?
    やり手の編集主幹のベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)とも協議し、キャサリンは、報道史上最も大きな決断を下す!

    ワシントン・ポスト紙が、ライバルであるニューヨーク・タイムズを支持し、文書に関する記事の掲載を始める。
    勝ち目がないと思われた政府との戦いの中で、民主主義国家としての報道の自由を掲げる憲法を守る為、立ち上がったのだ!

    巨大な国家危機という歴史に残る事件と共に、普通の専業主婦からフォーチュン誌が選ぶトップ企業500にランクインした有力新聞社の経営者として成長していく一人の女性の物語としても見応えがある作品。

    コンピューターは存在せず、黒電話とタイプライターとタバコの煙・・・。1970年代初めの新聞社のオフィス、その時代のファッション、インテリア、そして女性の生き方・・・、スピルバーグはあえて35mmフィルムで撮影することで、その時代の雰囲気を色濃く浮かび上がらせているのです。

     おたか 

  • 2018年3月14日(水) 16時53分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『シェイプ・オブ・ウォーター』

    今日紹介した 映画 は…

    シェイプ・オブ・ウォーターでした!

     

    監督
     ギレルモ・デル・トロ

     

    出演
    サリー・ホーキンス
    オクタヴィア・スペンサー

    マイケル・シャノン
    リチャード・ジェンキンス
    ダグ・ジョーンズ
    マイケル・スタールバーグ

     

    今年の第90回アカデミー賞で、作品・監督・美術・音楽と4部門のオスカーに輝いた作品。

    過去のトラウマで声が出せないイライザ(サリー・ホーキンス)は、政府の機密機関で清掃員として働いている。
    ある日、そこにホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)が研究の為に運んできた、半魚人のような不思議な生き物(ダグ・ジョーンズ)と出会い、ゆで卵を分けてあげたリ、アイコンタクトと手話で心を通わせ、レコードを共に楽しみ、ダンスも?・・・と、まさに一目で恋に落ちました状態に。

    威圧的な軍人のストリックランド(マイケル・シャノン)からは虐待を受け、やがてその体のメカニズムを解明するために、彼が解剖されようとしていることを知ったイライザは、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)、隣人の売れない画家のジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)に協力してもらい、彼を助けようとする・・・。

    声を出すことが出来ないイライザ。夫の無関心に悩むアフリカ系アメリカ人のゼルダ。同性愛者のジャイルズ。極めつけが、アマゾンから連れてこられたという半魚人。
    登場人物の多くがマイノリティ。
    この作品で、アカデミー賞の監督賞に輝いたギレルモ・デル・トロも、メキシコ出身で、ハリウッドではマイノリティ。

    日本の漫画、特撮、ロボットアニメの大ファンで、円谷英二をリスペクトしているという彼、実は10代の頃「エクソシスト」を観て、特殊メイクの大御所ディック・スミスに手紙を書いて弟子入りしたという経歴は、今年へアーとメイクアップ賞のオスカーに輝いた辻一弘さんが「スターウォーズ」を観てディック・スミスに手紙を書いて・・・と一緒というのも、興味深い。
    そして何より、素晴らしい才能を育てたディック・スミスという人の偉大さを、再確認!

    全ての俳優にあて書きされた脚本だと、デル・トロさんは言っているけど、ピューリッツァー賞受賞の劇作家ポール・ジンデルの息子から、父親が書いた舞台劇の盗作だと訴えられたり、話題には事欠かない。

    水の形・・・水は器の形によってどのような形にもなる。
    多様な生き方を認めることが、みんなの幸せにつながる。
    どんな犠牲を払ってでも、愛を貫く強さと、優しさ。
    バスタブいっぱいの・・・にとどまらず、バスルームいっぱいの水。
    その中で繰り広げられる幻想的な愛のシーンは美しい!

     おたか 

  • 2018年3月7日(水) 15時55分 おたかのシネマDEトーク

    おたかのシネマでトーク!『北の桜守』

    今日紹介した 映画 は…

    北の桜守でした!

     

    監督
     滝田洋二郎

     

    出演
    吉永小百合
    堺雅人
    篠原涼子
    岸田一徳
    佐藤浩市

    吉永小百合さん主演の、2005年の「北の零年」2012年の「北のカナリアたち」に続く、北海道を舞台にした“北の三部作”の最終章を飾る3作目。
    そして、吉永小百合さんの120本目の映画という記念すべき作品。

    監督は「おくりびと」で2009年のアカデミー外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎。
    脚本は、北の三部作をすべて手掛けている那須真知子。

    1945年5月の南樺太。
    製材所を営む江蓮家の庭に、江蓮てつ(吉永小百合)が大切にしている桜が花開いた。

    夫の徳次郎(阿部寛)が本土から持ってきた種から育てた桜、これからは毎年、満開の桜を家族そろって見ようとの約束は、その年の8月のソ連軍の侵攻によって、無残にも打ち砕かれる・・・。

    満月の日、美しく咲く桜の下に、家族4人で集まろうとの約束をして、徳次郎は現地に残り、てつは幼い2人の息子と共に、決死の思いで北海道に引き上げる。
    命からがら辿り着いた北海道の網走での生活は、飢えと寒さで、想像を超える過酷なものだった。

    時は流れて1971年、アメリカに渡って成功した次男の修二郎(堺雅人)が妻(篠原涼子)を伴って、ホットドッグチェーンの日本社長として帰国。
    15年ぶりで母の元を訪ねた彼は、年老いたその姿に驚き一緒に住もうと引き取るが、立派になった息子に迷惑をかけたくないと、一人で網走に帰ってしまう母。
    そんな母を追って行き、二人で思い出の地を巡りながら、共に暮らした記憶を取り戻そうとする親子。

    苦難を共にしてきた樺太時代からの友人山岡(岸部一徳)、いろいろと助けてくれた菅原(佐藤浩市)。
    懐かしい再会で、失われた家族の記憶を取り戻すことはできるのか?

    凄惨な展開の部分を、ケラリーノ・サンドロヴィッチの演出で演劇の形をとって描いたという手法が面白い。
    長い女優人生の吉永さんにとって、なんと舞台は初めての経験だったそう。観客が想像力を働かせて観る舞台劇の手法を取り入れたのは、不思議な効果を上げている。

    その舞台のフィナーレで、吉永小百合さんと阿部寛さんを中心に歌われる小椋佳作詞作曲の“花、闌の時”では、堀内孝雄さんの息子のHoriuchi Kohei や、仙石みなみ、Bitter&Sweet の二人もコーラスで加わり、桜に託した、てつの想いに、心揺さぶられ、涙してしまうのです。

    そこそこの年齢の設定の筈なのに、何ともお美しい吉永さん!
    まさに女優の中の女優、輝いてらっしゃいます!

     おたか