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ばんばひろふみ!ラジオ・DE・しょー!

番組内容

おバカなコーナー盛りだくさん!
ラジオの天才!バンバンが繰り広げるショータイムです!

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  • 2020年11月4日(水) 20時48分 おたかのシネマDEトーク

    11月4日*おたかのシネマでトーク「朝が来る」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 朝が来る 」をご紹介しました。

    監督:河瀨直美
    キャスト:永作博美
         井浦新
         蒔田彩珠
         浅田美代子
         佐藤令旺
         他

    2015年の下半期のNHKの朝の連続TV小説、波瑠と玉木宏共演で、“びっくりぽん”の流行語を生み、五代友厚を演じたディーン・フジオカが大ブレイクしたのが「あさが来た」という朝ドラだった。

    なんか似たタイトルだが、この映画は直木賞作家の辻村深月の小説を、河瀨直美が監督したもの。
    先ごろ、来年4月に授賞式が行われる第93回アカデミー賞の国際長編映画部門の日本代表作品に選ばれたというニュースも流れたが、今年はコロナ禍で通常開催がなかった第73回のカンヌ国際映画祭の“オフィシャルセレクション2020”に選ばれていて、トロント国際映画祭はじめ各国の映画祭で上映され、既に世界26の国と地域で配給が決まっているというさすが河瀨監督!という作品。
    コロナのせいで、6月の公開が延期となり、なんとあのお化けのようなすごい記録を打ち立てている「鬼滅の刃」と同時期の公開になってしまったのは、ちょっと不運だったかも。

    栗原佐都子(永作博美)と清和(井浦新)夫婦は子供に恵まれず、夫側の無精子症に原因があると診断され、顕微授精にもチャレンジ。けれどある日、そんな治療にも疲れ、旅に出た時、偶然TVで観たのが、NPO法人による特別養子縁組の斡旋という番組だった。
    1988年にスタートした制度“特別養子縁組”、30年以上の歴史がありながら、まだあまり知られていない。
    養子となる子供の生みの親との法的な親子関係を解消し、養親と養子に実の親子のような関係を結ぶ制度で、実の親が子供を育てることが困難な場合に子供の福祉を守ることが目的で、映画の中でもNPOの代表の浅見静江(浅田美代子)が“親が子供を見つけるための制度ではなく、子供が親を見つける制度”と語っているように、子供の為に整備された制度なのだ。

    その制度により栗原家にやってきたのが朝斗(佐藤令旺)。
    慈しみ育んですくすく大きくなり、来年から小学校に上がる息子を中心に、幸せいっぱいの日々を送る一家の元へある日、朝斗の生みの親の片倉ひかり(蒔田彩珠)から、息子を返してほしい、無理ならお金を欲しいという電話がかかり、数日後、すさんだ表情の女性が栗原家を訪ねて来る・・・。

    主題歌を歌っているのがC&Kという男性デュオ。「アサトヒカリ」というタイトルに2人の母と息子の名前を織り込み、エンディングで流れるこの歌は、印象的。
    最後の最後に、とても素敵な仕掛けがあるので、エンディングロールは、絶対に最後までちゃんと観てくださいね~!!

    ★おたか★

  • 2020年10月28日(水) 22時09分 おたかのシネマDEトーク

    10月28日*おたかのシネマでトーク「みをつくし料理帖」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 みをつくし料理帖 」をご紹介しました。

    監督:角川春樹
    キャスト:松本穂香
         奈緒
         若村麻由美
         浅野温子
         窪塚洋介
         他

    原作は、高田郁の400万部突破のベストセラー時代小説。その全10巻プラス特別編からなる話の1~3巻を、角川春樹が監督したのが、この映画。
    10年ぶり8本目の監督作になるこの映画で、監督業からは引退すると宣言し、最後の作品ということで、今までの角川映画にゆかりの面々がずらっと顔を揃えるという豪華さ。

    例えば、出版業から初めてプロデューサーとして映画界に進出した記念すべき作品1970年の「犬神家の一族」で、金田一耕助を演じた石坂浩二。2007年の「蒼き狼~地果て海尽きるまで」の反町隆史や若村麻由美、1981年「スローなブギにしてくれ」の浅野温子。1981年の「ねらわれた学園」「セーラー服と機関銃」の薬師丸ひろ子。2005年「男たちの大和/YAMATO」の中村獅童、それに榎木孝明、野村宏伸、鹿賀丈史といったかつて一緒に仕事をしたキラ星のごときスターが、主要な役のみならず、ちょい役でも参加しているという贅沢なキャスティング。
    そして、今まで、スペシャルドラマでは北川景子、連続ドラマでは黒木華が演じた主人公の澪に抜擢されたのが「美味しい家族」などで注目された松本穂香。その幼馴染の野江には、朝ドラ「半分、青い。」から、人気急上昇の奈緒。

    享保2年の大阪、澪と野江は8歳。大の仲良しの2人は、楽しく日々を送っていた。が、大阪が大洪水に襲われ、澪は家族をなくし、通りかかった天満の一兆庵の女将(若林麻由美)に助けられ、野江は行方知れずに。
    10年後、江戸に出て神田のそば処つる家の主人(石坂浩二)のもとで、料理人として修業を積み、やがては店を任されるまでになった澪。
    最初、どうしても上方の薄味になじんでいたため味付けに苦労していた澪は、江戸の味が、大阪に比べて濃いのは、大工などの汗して働く職人が多いからだと教えられる。
    そして、“食は天なり”という吉田兼好の“徒然草”の中の、食は天のごとく大切なもので、美味しい料理を作る人は大きな徳を持っているという言葉を知り、一層の努力の末、独自の味を生み出し、評判を呼ぶようになる。
    そんなある日、訪ねてきた又次(中村獅童)が、澪の料理を是非食べさせたい人がいると言う。
    その人とは、吉原で人気の花魁あさひ太夫だった・・・。

    そこここに、山本周五郎を感じるところがあるなと思っていたら、作者の父親が大ファンで、小さいころから親しんでいて、40代半ばで改めて作品に衝撃を受け、時代小説家を目指したというから、だからなのか・・・と納得。

    主題歌は、松任谷由実作詞作曲、松任谷正隆編曲、手嶌葵が歌う「散りてなお」。
    今まで数々のヒットを生み出してきた角川映画の主題歌として大ヒットするのか?などいろいろと期待はあったが、如何せん「鬼滅の刃」一人勝ちのご時世に、苦戦を強いられているようで、コロナ騒ぎで公開延期などの憂き目にあったこともあり、角川春樹監督の最後の監督作としてはちょっと残念!

    ★おたか★

     

  • 2020年10月21日(水) 20時07分 おたかのシネマDEトーク

    10月21日*おたかのシネマでトーク「スパイの妻」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 スパイの妻 」をご紹介しました。

    監督:黒沢清
    キャスト:蒼井優
         高橋一生
         東出昌大
         竹下文雄
         恒松祐里
         他

    元々NHKの高精細8Kカメラで撮影され6月に放送されたものを、サイズなどを調整して劇場版として公開されたもの。
    “神戸”をキーワードとして作られたオリジナルストーリーで、太平洋戦争直前1940年の神戸を舞台に、時代の嵐に飲みこまれていく夫婦の物語。

    脚本を書いたのは、監督もつとめた神戸出身の黒沢清と、彼の東京藝術大学院映像研究科での教え子である濱口竜介(「寝ても覚めても」の監督)と、その後輩の野原位(「ハッピーアワー」の脚本)の3人。
    この作品で今年の第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)に輝いた黒沢清は、カンヌ国際映画祭やベネチア、ローマ、ベルリンなどの国際映画祭で受賞を重ね、世界中に熱狂的なファンを持つ映画監督。
    その彼が、ロケ地、衣裳、美術などすべてにこだわり、当時の神戸の雰囲気を色濃く描き出した作品。

    神戸出身の黒沢監督が初めて地元を舞台に撮った作品で、保存されている市電の車両や、垂水区にある旧グッゲンハイム邸(最近、グッゲンハイム氏の自宅ではなかったことが判明して話題になった)が、主人公の福原優作(高橋一生)聡子(蒼井優)夫妻の自宅として使われ、優作が経営する貿易商の会社は、兵庫区の旧加藤海運本社ビルでロケされるなど、昔を知る神戸っ子にとっては懐かしい筈。

    太平洋戦争開戦前、出張先の満州で、偶然恐ろしい国家機密を知り、正義の為その事実を世界中に知らしめようとし、行動を起こそうとする優作。
    聡子の幼馴染の津森泰治(東出昌大)が憲兵分隊長に任命され神戸にやって来て、福原家の華やかな暮らし向きを、こんな時代なので少し慎んだ方がいいと忠告した矢先に、満州に優作と一緒に行き、その後作家になるために有馬の旅館に籠っていた甥の竹下文雄(坂東龍汰)が、憲兵に捕まる。
    一体、満州で彼らは何を見て、そしてどうしようとしているのか・・・?
    そして妻の聡子は、スパイと疑われる夫を信じ、共に生きることができるのか?

    神戸という町は、開かれた港を持ち、貿易に携わる外国人も多く、ハイカラで自由な雰囲気を持つ町。
    映画上陸の地でもあり、新開地の聚楽館は、いつも映画ファンであふれていた。
    そしてなんと優作が無類の映画好きで、妻や甥を出演させ、自作のスパイ映画を撮り会社の忘年会でその映画を上映していたという設定も、いかにも神戸らしい。

    戦後75年の今年、一体あの戦争は何だったのかを定義するのは難しいけれど、国家が徐々に常軌を逸し、国民もその狂気にあおられるように恐ろしい狂乱状態に突き進んでいった1940年前後の日本にあって、その中で何としても正気を保っていこうとする人間の姿を、この映画の夫婦を通して描こうとしたという黒沢監督。

    何度か出てきて印象に残る台詞“お見事です”。
    まさにこのセリフ通りの“お見事”な、黒沢映画でした!

    ★おたか★

  • 2020年10月14日(水) 16時46分 おたかのシネマDEトーク

    10月14日*おたかのシネマでトーク「望み」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 望み 」をご紹介しました。

    監督:堤幸彦
    キャスト:堤真一
         石田ゆり子
         岡田健史
         清原果耶
         水原 葵
         三浦貴大
         他

    ブックレビューサイト”ブクログ“で、読者満足度100%を獲得したという雫井脩介のベストセラー小説が原作で、堤幸彦が監督した衝撃と感動の問題作。
    コロナの時代にあって、このところ家族を考える作品が多いのだが、どこの家族に起こっても不思議じゃないかもと思うと、ちょっと怖いお話。

    建築家として、独自のスタイルを貫き成功している石川一登(堤真一)。
    妻の貴代美(石田ゆり子)は、自宅で編集の仕事をしている。
    息子の規士(岡田健史)は高校のサッカー部で活躍する人気者。
    妹の雅(清原果耶)は、名門高校を目指して受験勉強に励む成績優秀で明るい中学3年生。
    正に、絵にかいたような仲のよい幸せな家族の歯車に少しずつ軋みが生じ出した。きっかけは、規士が怪我をして、サッカー選手になるという夢を諦めなくてはならなくなったこと。
    親に反抗的になり、悪い仲間たちと付き合い、夜遊びもするようになり、ある夜、家に帰らず、連絡も取れなくなる。
    翌日、車のトランクから少年の死体が発見され、2人の少年が逃げて行ったのを目撃した人がいたというニュースが流れた。
    警察がやって来て、殺されたのは、規士の友人であることが分かった。
    そして巷では、被害者は一人ではなく、もう一人殺された人がいるのだと噂になっていた。
    息子は、兄は、犯人なのか?それとももう一人の被害者なのか?

    家に押しかけるマスコミ、世間からの誹謗中傷、生卵を投げつけられ、ペンキでひどい言葉を家の壁や自動車に殴り書きされる。
    週刊誌の記者(松田翔太)は、知っている情報を教える代わりに、貴代美にインタビューをしたいという。
    石川家の生活は一変した。
    規士はどこにいるのか?

    例え、犯人だったとしても、生きていてさえくれればと望む母。
    犯人であってほしくはないし、犯人ではないと信じたい父。
    あまりの周りからのバッシングに、兄が犯人だったら困ると父に告白する妹。
    それぞれの“望み”が交錯し、愛する息子の”望み“にたどり着いた時、誰もがきっと涙する・・・。

    一流の建築家の家らしく、ダイニングテーブルは250万円、ソファは150万円のものを用意したとか。
    そんなインテリア、子供たちの部屋のしつらえ、貴代美の作る料理・・・、全てがこの一家の生きざまと思いを語っていて、見逃せない。

    コロナ禍、ラッシュを観て、日常が奪い去られた今の時期の気持ちも反映させて、聴く人が前を向いて生きて行こうと思えるような曲をということで、エンディングに森山直太朗が作って歌った”落日“。
    心を傾けて、じっくり聴いてほしい。

    ★おたか★

  • 2020年10月7日(水) 18時23分 おたかのシネマDEトーク

    【水原碧衣さんインタビュー】10月7日*おたかのシネマでトーク「フェアウェル」

    *おたかのシネマでトーク

    今日は「 フェアウェル 」をご紹介しました。

    監督:ルル・ワン
    キャスト:オークワフィナ
         ツィ・マー
         ダイアナ・リン
         チャオ・シューチェン
         水原 葵

    水原碧衣さんインタビューは是非タイムフリーをお聴きください。

    ハリウッド女優にインタビューできるということで、大阪の桜ノ宮にある桜ガーデンホテルに行ってきました。
    映画のポスターや、キャラクターたちがロビーやそこここで出迎えてくれるという、映画ファンにとっては楽しいホテル。
    なので、本来なら、映画のポスターを挟んでの記念撮影をお願いするところなのに、スパイダーマンとの3ショットになってしまったという訳。

    で、その女優さんというのが、今話題のルル・ワン監督の「フェアウェル」で、あの「オーシャンズ8」や「ジュマンジ/ネクスト・レベル」などのオークワフィナと共演している、中国を拠点に活躍している水原碧衣(ミズハラ アオイ)さん。
    京都大学法学部から、早稲田の大学院に進み、在学中に北京電影学院の演技科に留学し首席で卒業。翌年にロシア・中国合作映画でデビューしたというすごい経歴の国際派女優。
    世界の高IQ組織MENSA(メンサ)の会員でもあるというから、その才女ぶりは分かろうというものなので、バリバリのキレ者を想像して会いに行ったら、とても華奢でチャーミングな素敵な女性でした。

    この映画「フェアウェル」は、全米のわずか4館から公開がスタートし、口コミで評判を呼び、3週目には興収トップ10に入っていたという快進撃ぶりで一躍話題になった作品で、そもそも2019年1月のサンダンス映画祭のワールドプレミアで注目され配給権をめぐって争奪戦になり、あの「ムーンライト」でアカデミー賞の作品賞を受賞した“A24”という新進気鋭のスタジオが配給を手掛けることになり、第77回ゴールデングローブ賞では主演のオークワフィナが主演女優賞に輝き、外国語映画賞にもノミネートされるなどいろいろと話題の多い作品。

    中国に住む祖母ナイナイ(チャオ・シュウチェン)がガンで余命3か月だという診断。
    6歳からアメリカに暮らす孫のビリー(オークワフィナ)にとっては、本人に告知しないということは考えられない。
    でも、中国では、ほとんどの場合告知しないらしい。
    ナイナイの二人の息子はそれぞれアメリカと日本に暮らし、今や別の文化や価値感の中に生きている。
    余命を告知せず、さりげなく別れを告げようと、日本に暮らすビリーのいとこのハオハオ(チェン・ハン)と日本人のアオイ(水原碧衣)の結婚式を口実に、故郷中国に集合する家族。

    今やすっかりアメリカナイズされたビリーがナイナイに真実を言ってしまうのではないか?
    笑顔をつくり食卓を囲む大家族のぎこちなさに、ナイナイが自分の病気の深刻さに気付いてしまうのではないか・・・?
    思いのすれ違いや、考え方の違いなど、結構笑えるシーンもある。マンダリン(標準の中国語)の分かる人なら、大笑いするシーンも多いのだとは、水原さんの弁。

    本当のことを告げることが、人間関係にとって、最良で大切なことなのか?
    家族ってなに?思いやりって何?
    “これは<嘘>に基づく、真実の物語である”という冒頭のテロップどおり、これはルル・ワン監督の実話に基づくお話。
    心揺さぶられ、心温まる、素敵なお話!
    是非、水原碧衣さんにも逢いに、劇場にお出かけを~!!

    ★おたか★