*おたかのシネマでトーク
今日は「 朝が来る 」をご紹介しました。
監督:河瀨直美
キャスト:永作博美
井浦新
蒔田彩珠
浅田美代子
佐藤令旺
他
2015年の下半期のNHKの朝の連続TV小説、波瑠と玉木宏共演で、“びっくりぽん”の流行語を生み、五代友厚を演じたディーン・フジオカが大ブレイクしたのが「あさが来た」という朝ドラだった。
なんか似たタイトルだが、この映画は直木賞作家の辻村深月の小説を、河瀨直美が監督したもの。
先ごろ、来年4月に授賞式が行われる第93回アカデミー賞の国際長編映画部門の日本代表作品に選ばれたというニュースも流れたが、今年はコロナ禍で通常開催がなかった第73回のカンヌ国際映画祭の“オフィシャルセレクション2020”に選ばれていて、トロント国際映画祭はじめ各国の映画祭で上映され、既に世界26の国と地域で配給が決まっているというさすが河瀨監督!という作品。
コロナのせいで、6月の公開が延期となり、なんとあのお化けのようなすごい記録を打ち立てている「鬼滅の刃」と同時期の公開になってしまったのは、ちょっと不運だったかも。
栗原佐都子(永作博美)と清和(井浦新)夫婦は子供に恵まれず、夫側の無精子症に原因があると診断され、顕微授精にもチャレンジ。けれどある日、そんな治療にも疲れ、旅に出た時、偶然TVで観たのが、NPO法人による特別養子縁組の斡旋という番組だった。
1988年にスタートした制度“特別養子縁組”、30年以上の歴史がありながら、まだあまり知られていない。
養子となる子供の生みの親との法的な親子関係を解消し、養親と養子に実の親子のような関係を結ぶ制度で、実の親が子供を育てることが困難な場合に子供の福祉を守ることが目的で、映画の中でもNPOの代表の浅見静江(浅田美代子)が“親が子供を見つけるための制度ではなく、子供が親を見つける制度”と語っているように、子供の為に整備された制度なのだ。
その制度により栗原家にやってきたのが朝斗(佐藤令旺)。
慈しみ育んですくすく大きくなり、来年から小学校に上がる息子を中心に、幸せいっぱいの日々を送る一家の元へある日、朝斗の生みの親の片倉ひかり(蒔田彩珠)から、息子を返してほしい、無理ならお金を欲しいという電話がかかり、数日後、すさんだ表情の女性が栗原家を訪ねて来る・・・。
主題歌を歌っているのがC&Kという男性デュオ。「アサトヒカリ」というタイトルに2人の母と息子の名前を織り込み、エンディングで流れるこの歌は、印象的。
最後の最後に、とても素敵な仕掛けがあるので、エンディングロールは、絶対に最後までちゃんと観てくださいね~!!
★おたか★