11月9日のお題は「十夜」「雑詠」でした。
まずは、大森さんの句からご紹介します。
「真言に育ちて十夜のこと知らず」
「大姑の南無阿弥陀仏と十夜語る」
「ハロウィンのキャプテンジャックに泣く児いて」
妙音新聞からは
「下山客に箸をふりゝゝ十夜粥」(藤井寺市 竹村智巳さん)
「十夜柿両手を母のほおにそへ」(練馬区 北星関子さん)
「現なき猊下御遷化秋黴雨」(五條市 馬場廣道さん)
「極楽も地獄もこの世十夜婆」(四日市市 北山紀美さん)
「終戦後 母に連れられ十夜粥」(堺市 河内紀雄さん)
今週は上田秋成の句と併せて向井去来の句も紹介します。
「値遇ありて一千日の十夜鉦」(漁焉)
「柚も柿も御法にもれぬ十夜哉」(漁焉)
「わすれ得ぬ空も十夜の泪かな」(去来)
続いてに出演者のみなさんの句をご紹介します。
寺谷さんの句は、
「番組も十夜にあやかり十年へ」
「小春日のアウトレットでまとめ買い」
あっきんの句は、
「すり足で吐く息白し十夜僧」
「みかん狩り山の辺の道おとな旅」
アルミカン高橋さんの句は、
「お十夜や雨に降られてびちゃびちゃだ」
アルミカン赤阪さんの句は、
「重役を捕まえてみたい十夜かな」
続いてリスナーの皆さんからの句をご紹介します。
「例年の顔見知り見ゆ十夜寺」(篠山市 まさ・あっこさん)
「お隣が舟漕ぎ初めし十夜かな」(神戸市垂水区 健康第一さん)
「月明かり読書三昧 十夜かな」(神戸市垂水区 ますきさん)
「漱石を分析したり夢十夜」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「お十夜の御八につられ祖母と行く」(姫路市 みよこさん)
「親鸞を越えて見た夜の十夜かな」(西宮市 蒼龍さん)
「お十夜に南無阿弥陀仏 途切れなく」(淡路市 お散歩おじさん)
「暖まる鐘の音背にし十夜粥」(大阪市平野区 くずれ荘の管理人さん)
「浄土教 唱え十夜の阿弥陀堂」(守口市 守口のタヌキさん)
「念仏会 阿弥陀様への感謝の会」(赤穂市 風ちゃんさん)
「短夜や咳三回で妻起こす」(交野市 星のブランコさん)
「廃校の紅葉散る人知れず散る」(篠山市 まさ・あっこさん)
「大ショック転けて骨折治りも遅し」(高槻市 ひろりんさん)
「七五三 ママの晴れ着に悩むパパ」(泉大津市 しょういちさん)
「立冬や電気行火の出番かな」(神戸市垂水区 ますきさん)
「境内は心経つつまれ満中陰」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「さが菊の花弁振るう城の庭」(姫路市 みよこさん)
「ねこ孫もこたつの中が遊び場に」(赤穂市 風ちゃんきさん)
「秋探し吊るし柿をも甘くなり」(西宮市 蒼龍さん)
「からす瓜 庭の一隅 照らしけり」(姫路市 姫路の夢太郎さん)
「上賀茂の白き息吹とすぐきの葉」(守口市 守口のタヌキさん)
出演者の皆さんが選んだ句をご紹介します。
「山水館」の佐藤料理長が選んだ句は、
「十夜 念仏よりも門徒は酒を持つ」(泉大津市 しょういちさん)
「山陰に冬の味覚やセリの声」(神戸市垂水区 健康第一さん)
アルミカン赤阪さんが選んだ句は、
「浄土宗十夜に聴く曲ヘイ・ジュード」(守口市 しんきいってんさん)
「お疲れと夕陽が浸かる露天風呂」(大阪市平野区 くずれ荘の管理人さん)
アルミカン高橋さんが選んだ句は、
「文化祭 爆笑とっては快感に」(守口市 しんきいってんさん)
あっきんが選んだ句は、
「松茸を一切れ食べた茶碗蒸し」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
寺谷さんが選んだ句は、
「心うつ孫らの歌が秋空に」(赤穂市 アンちゃんさん)
寺谷さん、あっきん、高橋さんの3人が選んだ句は、
「僧たちの頭に湯気立つ十夜かな」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
今週の特選句は、出演者の皆さんが選んだ句を、全て特選といたしました!
次回のお題は「返咲」「雑詠」で募集します。
お題にこだわらない句も歓迎ですよ。
初心者の方も、子どもさんも大歓迎!どんどんご応募下さいね!
〒650-8580 ラジオ関西 寺谷一紀のまいど!まいど! 「まごころ歳時記」係
※これまで紹介しました句をポッドキャストで聞くことが出来ます。
講評 大森保延さん
1954年、 辯天宗宗務総長大森慈祥氏と結婚。
文化活動奨励室部長として、茶華道・俳句・絵画など辯天宗文化部の発展に寄与。
1995年、 大和礼法弁才御流興隆。
1996年、大阪府より文化芸術表彰を受ける。
1997年茨木西ロータリークラブ会長。
2009〜2010年RI2660地区IM2組ガバナー補佐に就任。
大阪府更正保護協会理事。
茨木市更正保護推進協議会副会長。