今回のお題は「柿」「新酒」でした。
最初に、大森さんの句からご紹介します。
「口切りの茶壷の使者の柿と栗」
「柿狩やもう一と花を咲かす意気」
「地場の酒風の森の新酒まつ」
妙音新聞からは
「渋柿に弘法大師の謂れあり」(松阪市 森本晶子さん)
「富有柿を狙ひて山の獣たち」(綾部市 森本信太郎さん)
「淋しさの塊一つ木守柿」(四日市市 北山紀美さん)
「新米のかほりも添えて朝の経」(橋本市 植山朝子さん)
つづいて著名な俳人の句をご紹介します。
「摂待や御僧は柿をいくつ喰ぶ」(夏目漱石)
「酔過ぎて新酒の色や虚子の顔」(夏目漱石)
「御供に供へあまりの柿十五」(正岡子規)
「新酒売る家は小菊の莟かな」(正岡子規)
続いてに出演者の句をご紹介します。
まず寺谷さんの句は、
「柿の里エフエムの声 高らかに」
「新走り今はボジョレに座をゆずり」
アッキンの句は、
「あら旨しサンドイッチに富有柿」
「しぼりたて新酒味わうクレソンと」
アルミカン赤阪さんは、
「柿八年アルミ九年成り上がる」
アルミカン高橋さんは、
「新酒飲み ほろ酔いながら甘えたい」
続いて今週のリスナーの皆さんからの句をご紹介します。
「柿の実を棒でつついて取る子供」(神戸市北区 たけしさん)
「柿の種 飛ばしあってる児らの口」(神戸市垂水区 生涯現役さん)
「柿見れば祖父の干し柿 思い出す」(豊中市 豊中のセキセイインコさん)
「干し柿の軒下飾る里の家」(神戸市垂水区 ますきさん)
「カラスさえ しぶ柿一つ残しおり」(神崎郡 としおさん)
「野仏の前に供えし柿ひとつ」(姫路市 みよこさん)
「豊作の柿によろこぶカラスかな」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「賑やかなカキなべ囲む女子の会」(神戸市垂水区 垂水の玄さん)
「緑濃き杉玉揺れる軒の下」(神戸市垂水区 生涯現役さん)
「新酒呑み心身共にリフレッシュ」(たつの市 悪魔の囁きさん)
「酒蔵の賑わい香る新酒かな」(神戸市垂水区 ますきさん)
「新酒試飲げこな夫婦は足もつれ」(泉大津市 昭一さん)
「外国のボジョレーとかいう新酒」(神崎郡 としおさん)
「アッキンのひとみかがやき新酒待つ」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
それでは、出演者の皆さんが選んだ句を紹介します。
コメンテーターの渡辺さんは
「吊し柿オレンジ色の昇り龍」(守口市 しんきいってんさん)
「新酒飲み五臓六腑に沁みわたる」(堺市 堺のかわちさん)
アルミカン赤阪さんは
「由緒ある茶盆に残る柿のヘタ」(東大阪市 やすよさん)
「年とるも新酒とともに若返る」(豊中市 豊中のセキセイインコさん)
アルミカン高橋さんは
「朝日よりあか夕日よりあかの柿」(篠山市 まさ・あっこさん)
「フランスの新酒の便り待ちこがれ」(神戸市北区 たけしさん)
大森さんは
「祖母の手で次々出来る柿すだれ」(泉大津市 しょういちさん)
「粒ひとつ茶碗にあれば牡蠣ご飯」(交野市 星のブランコさん)
「千年の蔵の宮水 今新酒」(篠山市 まさ・あっこさん)
「娘の挙式 終えて新酒の届きおり」(交野市 星のブランコさん)
「杉玉のかおり漂い新走り」(姫路市 みよこさん)
「郷里より今年も新米 定期便」(神戸市垂水区 垂水の玄さん)
そして今週の特選句は
「圧巻や吉野の里の柿簾」(奈良市 法隆寺の鐘さん)
「三輪山の恵み豊に新酒かな」(八尾市 ゴンちゃんさん)
でした!
次回のお題は「紅葉散る」「小春」で募集します。
お題にこだわらない句も歓迎ですよ。
初心者の方も、子どもさんも大歓迎!どんどんご応募下さいね!
〒650-8580 ラジオ関西 寺谷一紀のまいど!まいど! 「まごころ歳時記」係
※これまで紹介しました句をポッドキャストで聞くことが出来ます。
講評 大森保延さん
1954年、 辯天宗宗務総長大森慈祥氏と結婚。
1960年得度、1965年辯天宗婦人部総裁に就任。
文化活動奨励室部長として、茶華道・俳句・絵画など辯天宗文化部の発展に寄与。
1995年、 大和礼法弁才御流興隆。
1996年、大阪府より文化芸術表彰を受ける。
1997年茨木西ロータリークラブ会長。
2009〜2010年RI2660地区IM2組ガバナー補佐に就任。
大阪府更正保護協会理事。
茨木市更正保護推進協議会副会長。