今回のお題は「霜月」「初冬」でした。
最初に、大森さんの句からご紹介します。
「秋声は十五童子の御眞言」
「瀧ツ瀬にそっと流燈吾子のもの」
「霜月や口切茶事のしらべもの」
妙音新聞からは
「霜月や誕生の児の指強し」(松阪市 森本晶子さん)
「カレーよりシチュー選びし冬初め」(四日市市 北山紀美さん)
「初冬や特に気になる血圧計」(堺市 河内紀雄さん)
つづいて著名な俳人の句をご紹介します。
「空狭き都に住むや神無月」(夏目漱石)
「初冬や竹切る山の鉈の音」(夏目漱石)
「霜月の梨を田町に求めけり」(正岡子規)
「初冬の家ならびけり須磨の里」(正岡子規)
続いてに出演者の句をご紹介します。
まず寺谷さんの句は、
「霜月の富士黒々と横たわり」
「初冬や毛布探して汗をかき」
アッキンの句は、
「霜月にやっと始まる衣替え」
「初冬よ上着重ねて到来か」
ゲストの玉田さんは、
「霜月の紅葉彩る箕面の滝」
「初冬の牡蠣を肴に酒すすむ」
続いて今週のリスナーの皆さんからの句をご紹介します。
「カボチャ去りクリスマス迄の霜月か」(大阪市淀川区 蒼龍さん)
「霜月の丹波路駆ける高校生」(篠山市 まさ・あっこさん)
「秋アジが水車に巻かれ宙を舞う」(守口市 守口のタヌキさん)
「霜月の足りぬ一日急く納期」(交野市 星のブランコさん)
「霜月の牛滝山は赤絨毯」(守口市 しんきいってんさん)
「霜月や鮟鱇求め独り鍋」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
「霜月祭 神輿囲み躁ぐ子等」(姫路市 みよこさん)
「残し柿 落ちてや初冬 星景色」(八尾市 ゴンちゃんさん)
「初霜や初物づくしの初冬かな」(大阪市淀川区 蒼龍さん)
「初冬来てセーターを一枚 重ね着る」(東大阪市 やすよさん)
「吐く息は真白き初冬 六甲の嶺」(神戸市垂水区 生涯現役さん)
「格子越し語らう舞妓の京ことば」(守口市 守口のタヌキさん)
「初冬の海峡渡る雁の群れ」(神戸市垂水区 垂水の玄さん)
「夕食のなべがふえたる初冬かな」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「初冬や天に届くや鳥の声」(姫路市 みよこさん)
「初冬でペットの毛並み衣更え」(守口市 しんきいってんさん)
それでは、出演者の皆さんが選んだ句を紹介します。
ゲストの玉田さんは
「霜月に日記めくりて失笑し」(神戸市垂水区 垂水の玄さん)
アッキンは
「霜月やカレンダーめくり後がない」(東大阪市 やすよさん)
大森さんは
「霜月の朝を破いて叫ぶもず」(神戸市垂水区 生涯現役さん)
「明日香路や田に稲残るお霜月」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「祭り過ぎ霜月の夜はゲーテ読む」(神崎郡 としおさん)
「家々の門身構える初冬かな」(交野市 星のブランコさん)
「初冬の靄ゆるゆると山を切り」(篠山市 まさ・あっこさん)
そして今週の特選句は
「初霜や枯れし尾花も輝きて」(八尾市 ゴンちゃんさん)
「飲み会の誘いが届く初冬かな」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
「花嫁の白無垢凛と冬初め」(神崎郡 としおさん)
でした!
次回のお題は「柿」「新酒」で募集します。
お題にこだわらない句も歓迎ですよ。
初心者の方も、子どもさんも大歓迎!どんどんご応募下さいね!
〒650-8580 ラジオ関西 寺谷一紀のまいど!まいど! 「まごころ歳時記」係
※これまで紹介しました句をポッドキャストで聞くことが出来ます。
講評 大森保延さん
1954年、 辯天宗宗務総長大森慈祥氏と結婚。
1960年得度、1965年辯天宗婦人部総裁に就任。
文化活動奨励室部長として、茶華道・俳句・絵画など辯天宗文化部の発展に寄与。
1995年、 大和礼法弁才御流興隆。
1996年、大阪府より文化芸術表彰を受ける。
1997年茨木西ロータリークラブ会長。
2009〜2010年RI2660地区IM2組ガバナー補佐に就任。
大阪府更正保護協会理事。
茨木市更正保護推進協議会副会長。