今回のお題は「橙(だいだい)」「寒菊」でした。
まず、大森さんの句からご紹介します。
「酢だち済み今はかぼすよ橙よ」
「日に馴じみ地に馴じみゐて寒菊は」
「寒菊の葉の紅ひも賞ずるゆえ」
妙音新聞からは
「橙たわわ母を迎えし忌日かな」(藤井寺市 竹村智巳さん)
「寒菊やのびやかに地を這うて咲く」(練馬区 北星関子さん)
「寒菊を辿るその先城址かな」(岩出市 吉益宜子さん)
つづいて著名な俳人の句をご紹介します。
「橙も黄色になりぬ温泉の流れ」(夏目漱石)
「寒菊や京の茶を売る夫婦もの」(夏目漱石)
「橙や都の家数四十万」(正岡子規)
「道々の菊や紅葉や右左」(正岡子規)
続いてに出演者の句をご紹介します。
まず寺谷さんの句は、
「寒菊の白きを集め供へをり」
「だいだいの器にツンとズワイガニ」
アッキンの句は、
「寒菊と一杯交わす関東煮」
「年も暮れ橙飾り団欒や」
コメンテーターの西村さんの句は、
「飛びすぎてボールの先に寒の菊」
「鍋奉行 橙そっとしのばせる」
続いて今週のリスナーの皆さんからの句をご紹介します。
「橙は食べられるのかならんのか」(篠山市 まさ・あっこさん)
「橙が実る黄金の色群れて」(神戸市垂水区 生涯現役さん)
「橙は羽二重ざぶとん すわりおり」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「山降りて だいだい畑 雪が舞う」(淡路市 お散歩おじさん)
「だいだいを飾らぬ鏡餅が増え」(大阪市淀川区 蒼龍さん)
「橙の匂いさわやかサラダかな」(神戸市垂水区 ますきさん)
「橙を摘む手かぐわし農夫の手」(明石市 明石のレモントマトジュースさん)
「寒菊の揺れるさま見て幸思ふ」(加西市 えつこさん)
「頂きし寒菊嬉し仏の間」(交野市 星のブランコさん)
「寒菊が日本の色で咲き誇り」(神戸市垂水区 生涯現役さん)
「寒菊 出番近づく年の暮れ」(枚方市 のんのんさん)
「寒菊の墓に供えし母思う」(神戸市垂水区 ますきさん)
「吹きすさぶ風にも負けず寒菊や」(大阪市淀川区 蒼龍さん)
「突然の訃報の知らせ秋の暮れ」(加西市 なつこさん)
それでは、出演者の皆さんが選んだ句を紹介します。
コメンテーターの西村さんは
「だいだいを見つけて嬉し道の駅」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
「寒菊を眺めため息 老夫婦」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
吉川さんは
「寒菊が師走の部屋に凛と咲く」(守口市 守口のタヌキさん)
大森さんは
「橙はめでたさ重ね三宝に」(八尾市 ゴンちゃんさん)
「絞られてなお橙の鍋の横」(交野市 星のブランコさん)
「しあわせを橙に込めしめ飾り」(守口市 守口のタヌキさん)
「湯脹れの橙除けて湯に浸かる」(姫路市 みよこさん)
「あの人がうえた寒菊おそなえす」(神戸市西区 ミーちゃんさん)
「寒菊や照葉しぐれは趣に」(八尾市 ゴンちゃんさん)
「寒菊の頃に死にたる龍馬かな」(神崎郡 としおさん)
「寒菊や赤を選びて報恩講」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「寒菊の芯の強さにはっとして」(淡路市 お散歩おじさん)
そして今週の特選句は
「橙の永きに香る四畳半」(神崎郡 としおさん)
「濠岸に野草にまじり寒の菊」(姫路市 みよこさん)
でした!
次回のお題は「大根」「蒲団」で募集します。
お題にこだわらない句も歓迎ですよ。
初心者の方も、子どもさんも大歓迎!どんどんご応募下さいね!
〒650-8580 ラジオ関西 寺谷一紀のまいど!まいど! 「まごころ歳時記」係
※これまで紹介しました句をポッドキャストで聞くことが出来ます。
講評 大森保延さん
1954年、 辯天宗宗務総長大森慈祥氏と結婚。
1960年得度、1965年辯天宗婦人部総裁に就任。
文化活動奨励室部長として、茶華道・俳句・絵画など辯天宗文化部の発展に寄与。
1995年、 大和礼法弁才御流興隆。
1996年、大阪府より文化芸術表彰を受ける。
1997年茨木西ロータリークラブ会長。
2009〜2010年RI2660地区IM2組ガバナー補佐に就任。
大阪府更正保護協会理事。
茨木市更正保護推進協議会副会長。
コーナー提供