今回のお題は「大根」「蒲団」でした。
まず、大森さんの句からご紹介します。
「お葉漬けの大根きざみ昆布きざみ」
「はや届く聖護院大根のお漬物」
「大根の刺身のつまの透きとほる」
「気にかゝる羽の布団の重さかな」
妙音新聞からは
「大根を葉ごと求めてもてあまし」(福岡市 永野久美子さん)
「スーパーの太くて長い大根選る」(御坊市 松本啓子さん)
「久しぶり帰る子に干す蒲団かな」(八尾市 淺井祥多さん)
「蒲団部屋はじめに探す鬼ごっこ」(松阪市 森本晶子さん)
つづいて著名な俳人の句をご紹介します。
「冬ざれや青きもの只菜大根」(夏目漱石)
「短くて毛布つぎ足す布団かな」(夏目漱石)
「夕月に大根洗ふ流れかな」(正岡子規)
「寒そうに母の寝給ふ蒲団哉」(正岡子規)
「無精さや蒲団の中で足袋をぬぐ」(正岡子規)
続いてに出演者の句をご紹介します。
まず寺谷さんの句は、
「鳥大根 皿の底より堀り出し」
「朗読会 花袋の蒲団 淡々と」
アッキンの句は、
「淡路島 辛味大根ツンとくる」
「息白し ぬくぬく蒲団 丸くなる」
ゲストの高田さんの句は、
「年の瀬や同時に掴む太大根」
「ため息が寝息に変わる冬布団」
続いて今週のリスナーの皆さんからの句をご紹介します。
「我が家にて大根鍋を囲んでる」(明石市 レモントマトジュースさん)
「煮大根 妻の愛情しみわたる」(たつの市 Dパパさん)
「辛味ある大根擦りて夕げ哉」(加西市 えつこさん)
「大根も役者は不味く おでんは旨し」(明石市 フォレスト・マウスさん)
「初夢を大根に彫り太鼓判」(守口市 守口のタヌキさん)
「箱根路に だいこん踊り躍動し」(淡路市 お散歩おじさん)
「切干の大根サラダああうまし」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「大根の漬物多し昨今かな」(神戸市垂水区 ますきさん)
「布団から出るのがつらい冬の朝」(神戸市北区 たけしさん)
「掛け布団 毛布の位置は上?下?」(たつの市 Dパパさん)
「布団干す重いと感じる齢哉」(加西市 えつこさん)
「厳寒の準備万端 蒲団干す」(神戸市垂水区 ますきさん)
「胸躍るボーナスで買う羽根布団」(姫路市 みよこさん)
「無意識に ふとん引っ張る夜明け前」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
「安らぎの蒲団に潜りて夢が友」(淡路市 お散歩おじさん)
「左右に孫 顔の取り合い蒲団中」(堺市 堺のかわちさん)
「寒い朝 蒲団の匂い名残惜しい」(豊中市 豊中のセキセイインコさん)
「気がつけば一人蒲団に二人居る」(大阪市淀川区 蒼龍さん)
「菊愛でる母の姿が凛とする」(松原市 ただの仁さん)
それでは、出演者の皆さんが選んだ句を紹介します。
ゲストの高田さんは
「打直し布団も軽く暖かに」(八尾市 ゴンちゃんさん)
寺谷さんは
「洗われて娘大根となりにけり」(交野市 星のブランコさん)
「モゾモゾと電気アンカを蟹挟み」(守口市 守口のタヌキさん)
吉川さんは
「大根の浅漬けうまい二日酔い」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
大森さんは
「大根も おでんの鍋の大看板」(岡崎市 小太り爺さん)
「怒らずに下ろし大根 擦れと母」(姫路市 みよこさん)
「主居ぬ間の自由なる布団かな」(交野市 星のブランコさん)
「閃く句 起きずに布団被り寝て」(姫路市 みよこさん)
「長持ちの年代ものの客ぶとん」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「親子して雑魚寝布団や懐かしき」(神崎郡 としおさん)
「万両の実の色さえる朝の雨」(丹波市 けいこさん)
そして今週の特選句は
「大根の青首長く畝つじき」(八尾市 ゴンちゃんさん)
「雪国の冬の名物 干し大根」(神戸市北区 たけしさん)
「望郷の涙を隠す布団かな」(神崎郡 としおさん)
でした!
次回のお題は「冬の雨」「漱石忌」で募集します。
お題にこだわらない句も歓迎ですよ。
初心者の方も、子どもさんも大歓迎!どんどんご応募下さいね!
〒650-8580 ラジオ関西 寺谷一紀のまいど!まいど! 「まごころ歳時記」係
※これまで紹介しました句をポッドキャストで聞くことが出来ます。
講評 大森保延さん
1954年、 辯天宗宗務総長大森慈祥氏と結婚。
1960年得度、1965年辯天宗婦人部総裁に就任。
文化活動奨励室部長として、茶華道・俳句・絵画など辯天宗文化部の発展に寄与。
1995年、 大和礼法弁才御流興隆。
1996年、大阪府より文化芸術表彰を受ける。
1997年茨木西ロータリークラブ会長。
2009〜2010年RI2660地区IM2組ガバナー補佐に就任。
大阪府更正保護協会理事。
茨木市更正保護推進協議会副会長。
- お気軽に短歌を楽しんでみませんか?
- まごころ歳時記(12月1日)
- 「雪崩防災週間」のおしらせ