7月3日のゲストは、茶道 武者小路千家 第14代家元の千宗守さんにお越し頂きました。
千さんには、コロナの時代の茶の湯についてや様々な場所での茶の湯の経験についてお話頂きました。
千利休以来、400年近い歴史を持つ「茶の湯」の世界ですが、世間一般では「上品で着物を着てきちんと座って」というフォーマルな場だと思われていまよね。
でも千さんは、「茶の湯」とは「人々が集まって会話を楽しむ場」と言います。
武者小路千家の京都にある茶室「官休庵」では一畳半の空間で亭主1人、客1、2人と膝を突き合わせるようにお茶をしているとのこと。
本来の「茶の湯」とは、限られた空間の中で亭主と客が「おもてなし」を通じて深い交流を楽しむ場なんですね。
しかし今回の新型コロナウイルスの影響で、現在は官休庵を使用していないそうです。
今、「茶の湯」の世界では換気、消毒をして、人と人の間を空けて行っているそうですが、間が空くため「茶の湯」本来のコミュニケーションが取りにくくなっているそうです。
番組では、千さんのこれまでの活動についても、お話を伺いました。
実は、千さんと寺谷さんは同じ京都にあるカトリック系の学校の先輩後輩の間柄。
千さんは、この学校で体験した「聖体拝領」という行事を見て、戦国時代にキリスト教が日本に入ってきたことが「茶の湯」に大きな影響を与えたのではと考えたそうです。
というのも、千利休以前の「茶の湯」では、今のように一つの茶碗に入れた茶を数名の客で順に飲むというスタイルが無かったそうで、千さんは学校で見た「聖体拝領」と今に伝わる「茶の湯」が似ていると感じたそうです。
このことを思い切ってローマ教皇庁に報告したところ、なんと当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ二世から「是非会いたい」と返答があり、ついにお茶を点てに行かれたそうです。
また、硫黄島の慰霊碑の前や東日本大震災の慰霊として海上自衛隊の船の上でお茶をたてたこともあるそうです。
「茶の湯」の可能性に挑戦し続ける千さんから、まだまだ目が離せませんね。
- その笑顔の裏にあるものは・・・
- 武者小路千家 千宗守さんにお越しいただきました
- まごころ歳時記(7月3日)