今回のお題は「炬燵」「炭」でした。
まず、大森さんの句からご紹介します。
「紋服の炭点前より初釜式」
「菜籠に白き枝炭組みてさて」
「枝炭の白黒たがふも流儀かな」
「大法要了へし猊下にまづ炬燵」
妙音新聞からは
「しぐれつつ炭焼く煙ながれけり」(御所市 田岡眞知子さん)
「うばめ樫多き山里炭を焼く」(八尾市 淺井祥多さん)
「児も猫も足も手も伸ぶ炬燵かな」(吹田市 土山川水さん)
今回の上田秋成の句は、
「うつくしや巨たつに酔たかよほ人」(無腸)
「油さへ氷にけりな碁の行灯」(漁焉)
「いやましに霜も浅瀬も星の数」(漁焉)
続いてに出演者の句をご紹介します。
まず寺谷さんの句は、
「板前の炭おこしたる胸おどる」
「亡き祖父のこたつ懐かし道修町」
アッキンの句は、
「炭点前 手が震えるよ緊張で」
「いと恋し炬燵にみかん無性にね」
西村さんの句は、
「昭和すら遠く火鉢も炭も無く」
「猫までも陣取り合戦 掘炬燵」
続いて今週のリスナーの皆さんからの句をご紹介します。
「お袋の横に割込む炬燵かな」(堺市 堺のかわちさん)
「雪の日は家のこたつで みかん食べ」(神戸市北区 たけしさん)
「足の位置 炬燵の中で鬩ぎ合い」(揖保郡 斑鳩の王子さん)
「ひとり寝に猫と炬燵のおもてなし」(篠山市 まさ・あっこさん)
「ほぼひと日こたつ人間なりにけり」(交野市 星のブランコさん)
「なつかしい居間のこたつが今はない」(城陽市 カイロちゃんさん)
「炬燵だし すぐさま猫が入り込む」(神戸市垂水区 垂水の玄さん)
「里帰り炬燵囲いし家族会」(神戸市垂水区 ますきさん)
「こたつある部屋には何時も笑いあり」(大阪市淀川区 蒼龍さん)
「飛び込んだ炬燵に先客ひっかかれ」(豊岡市 ほな いくえさん)
「今日もまた こたつのもりの老母かな」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「書き初めのすみに良い年 願う日よ」(神戸市北区 たけしさん)
「田楽を備長炭で香り付け」(たつの市 悪魔の囁きさん)
「裏返し炭の残り火 餅ひとつ」(姫路市 ラジオ部屋の怪人さん)
「炭火焼きのいものにおいに女子つどう」(豊岡市 ほないくえさん)
「焼鳥の旨味増々 木炭かな」(神戸市垂水区 ますきさん)
「赤々と燃える堅炭 焼鳥や」(城陽市 カイロちゃんさん)
「竹の炭きんこんかんと奏でるわ」(大阪市淀川区 蒼龍さん)
「きりたんぽ炭火で食べる旅の宿」(大阪市天王寺区 サッチーさん)
「炭おこし餅を食らった少年期」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
「お札売る巫女の火鉢の炭弾け」(姫路市 みよこさん)
「炭焼きの煙たなびく熊野道」(淡路市 お散歩おじさん)
「深夜には雪へと変わる涙雨」(松原市 ただの仁さん)
今週、大森さんが選んだ句は
「足からみ兄弟げんか ほりこたつ」(赤穂市 アンちゃんさん)
「背を向けて炬燵足入れ仲直り」(姫路市 ラジオ部屋の怪人さん)
「燃ゆる炭 芯赤く匂い立つ」(篠山市 まさ・あっこさん)
「炭いこり真中の紅をただ見入り」(交野市 星のブランコさん)
「炭作る父山奥に籠る日々」(京都市 はつえさん)
「とめ炭の位置に悩むや炭手前」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
今週の特選句は
「家族寄る温いこたつに笑み会話」(京都市 はつえさん)
「リモコンとミカンが並ぶ炬燵かな」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
「霧も晴れ昇る最上の炬燵舟」(姫路市 みよこさん)
「消し炭で雪舟真似た水墨画」(奈良市 法隆寺の鐘さん)
「焼きガニのしずくがポトリ炭の上」(神戸市垂水区 垂水の玄さん)
次回のお題は「立春」「雑詠(お題は自由という意味です)」で募集します。
お題にこだわらない句も歓迎ですよ。
初心者の方も、子どもさんも大歓迎!どんどんご応募下さいね!
〒650-8580 ラジオ関西 寺谷一紀のまいど!まいど! 「まごころ歳時記」係
※これまで紹介しました句をポッドキャストで聞くことが出来ます。
講評 大森保延さん
1954年、 辯天宗宗務総長大森慈祥氏と結婚。
1960年得度、1965年辯天宗婦人部総裁に就任。
文化活動奨励室部長として、茶華道・俳句・絵画など辯天宗文化部の発展に寄与。
1995年、 大和礼法弁才御流興隆。
1996年、大阪府より文化芸術表彰を受ける。
1997年茨木西ロータリークラブ会長。
2009〜2010年RI2660地区IM2組ガバナー補佐に就任。
大阪府更正保護協会理事。
茨木市更正保護推進協議会副会長。
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