9月18日の「いろいろ万華鏡」では、京都府立医科大学 の吉田直久さんにお越しいただき、最近著名人が発症して注目されている大腸がんについて、お話を伺いました。
吉田先生は医師として診療に携わる一方、2014年ごろから「大腸がん検診を受けましょう」と書かれたTシャツを着てマラソン大会に出場する啓発活動を続けています。
きっかけは、京都府や京都市が開催するウォーキングイベントに専門医として参加したこと。歩いたり走ったりする姿を通じて、直接話をしなくても多くの人に大腸がん検診の大切さを伝えられると考えたそうです。実際、Tシャツを見た人から「検診を受けました」と報告を受けることもあるといいます。
最近ではシドニーマラソンにも参加。4万人を超えるランナーの中、日本国旗を顔につけ、英語と日本語で検診を呼びかけるTシャツを着て42.195キロを完走しました。タイムは3時間11分。多忙な医師生活の中でも、仕事の合間や帰宅後の30分など「スキマ時間」を利用してトレーニングを続けているそうです。
吉田先生によると、大腸がんの患者さんの腸内細菌を調べると、一般の人とは異なる傾向がみられるという研究報告があり、腸内細菌のバランスの乱れが大腸がんと関連する可能性も示唆されています。
発酵食品などを取り入れることに加え、運動によって腸の動きを促すことも腸内環境を整えるうえで重要だといいます。吉田先生自身も、ぬか漬けや納豆などを日常的に取り入れているそうです。
また、大腸内視鏡検査の最新事情にについても宇賀がいました。
内視鏡検査というと、「痛そう」「苦しそう」と不安に感じる人は少なくありません。
しかし吉田先生によれば、現在は検査中にしっかり作用し、終了後には比較的すっきり覚める鎮静剤も使われるようになり、以前より楽に検査を受けられるようになっています。
検査を受ける医療機関を選ぶ際には、学会の「専門医」「指導医」といった資格も客観的な目安の一つになるとのことです。
内視鏡検査でポリープが見つかった場合でも、すべてをすぐ切除するとは限りらないそうです。大きさや種類によっては経過観察となるケースもあります。また、一度内視鏡検査を受けて異常がなかった人や、ポリープを切除した人については、状態に応じて数年ごとの検査でよい場合もあるそうです。
一方、腹痛や下痢など気になる症状が続く場合には、便潜血検査が陰性であっても内視鏡検査を検討することが大切だと吉田先生は話します。
「がんを見つける」だけでなく、その前段階であるポリープを発見し、必要に応じて取り除くことで「将来のがんを予防する」。大腸内視鏡検査には、そんな重要な役割があります。
怖いから検査を避けるのではなく、まず自分の腸の状態を知ること。それが、大腸がんから命を守るための大切な第一歩なのかもしれません。
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