今回のお題は「冷ややか」「木犀(もくせい)」「通草(あけび)」でした。
まずは、大森さんの句からご紹介します。
「冷やゝかな距離を寄せたる夜明方」
「木犀の香に彼岸会はお中日」
「これほどの通草そろへて摘草膳」
妙音新聞からは
「冷ややかなる空気の低き園の中」(練馬区 北星関子さん)
「秋冷や靴をはきたる爪の先」(四日市市 北山紀美さん)
「木犀の散り敷く庭に鳥の声」(八尾市 淺井祥多さん)
「木犀や金銀ありて香を放ち」(柏原市 永味啓子さん)
つづいて著名な俳人の句をご紹介します。
「冷やかな脈を護りぬ夜明方」(夏目漱石)
「秋寂びて霜に落ちけり柿一つ」(夏目漱石)
「尻の跡のもう冷やかに古畳」(正岡子規)
「老僧に通草をもらふ暇乞」(正岡子規)
「日おさへの通草の棚や檐の先」(正岡子規)
続いてに出演者の皆さんの句をご紹介します。
まず寺谷さんの句は、
「明け方に腹痛みたる冷ややかさ」
「卒業の朝モクセイの香り満つ」
「期待して食うほどでなしアケビの実」
マイマイの句は、
「あけびいる?未だ勇気がわかず無理」
「冷ややかな朝にいよいよ卒業だ」
「木犀の香り知らせる別れの日」
今週もリスナーの皆さんからたくさんの句をいただきました。
「冷ややかな風が身に染む帰り道」(神戸市垂水区 ますきさん)
「冷ややかな言葉に涙あふれ出る」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「冷ややかな季節感じし秋の山」(姫路市 姫路のトラバイクさん)
「冷ややかな風とたわむる風呂の湯気」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
「いさかいも座して冷ややか影のいわ」(交野市 星のブランコ)
「本堂の冷ややかな朝 灯をともす」(篠山市 まさ・あっこさん)
「寒しぶき燃え尽きる鮭 里帰り」(守口市 守口のタヌキさん)
「静寂の冷ややかなりし離れかな」(マコモさん)
「散りてなお香る木犀 吹きよせて」(八尾市 ゴンちゃんさん)
「まなびやに木犀におう季節かな」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「木犀の香り釣られし路地裏や」(姫路市 姫路のトラバイクさん)
「木犀をたどれば坂の上の寺」(交野市 星のブランコさん)
「木犀の香りを肺へと送る夜」(篠山市 まさ・あっこさん)
「月の夜の木犀薫る神秘かな」(明石市 レモントマトジュースさん)
「野良猫が柑橘香に仰ぐ空」(守口市 守口のタヌキさん)
「通草食べ郷里懐かしハイキング」(神戸市垂水区 ますきさん)
「紫が緑に映えし通草かな」(姫路市 姫路のトラバイクさん)
「山の辺に羽音響くや通草爆ぜ」(篠山市 まさ・あっこさん)
「紫は はぜてまわたの あけびかな」(八尾市 ゴンちゃんさん)
「すぐそこの採れぬアケビが笑ってる」(交野市 星のブランコさん)
「弾けてるアケビの実たち種飛ばし」(大阪市淀川区 蒼龍さん)
「コウノトリ アケビ咥えて新天地」(マコモさん)
それでは、出演者の皆さんが選んだ句を紹介します。
コメンテーターの宮倉さんは
「冷ややかに秋の到来 告げる風」(神戸市北区 たけしさん)
「匂いたつ君はいずこや金木犀」(大阪市城東区 つきあかりさん)
寺谷さんは
「北と米 冷ややかに見る 中ロシア」(大阪市淀川区 蒼龍さん)
「木犀の香り届くや角の家」(神戸市垂水区 ますきさん)
「道の駅 注目あつめし あけびかな」(奈良県吉野郡 吉野の茶つみさん)
「大口を開けてアケビの高笑い」(神戸市垂水区 生涯現役さん)
マイマイは
「冷ややかに月さえわたり君想う」(大阪市城東区 つきあかりさん)
「木犀の香りか弱き君に似て」(神戸市垂水区 生涯現役さん)
「日本猿アケビほおばる里の秋」(守口市 守口のタヌキさん)
そして今週の特選句は
「天空の城ひややかに雲隠れ」(神戸市垂水区 生涯現役さん)
「木犀が鼻を擽る文化祭」(宇治市 こま子さん)
「田舎道アケビを食べた少年期」(大阪市天王寺区 レトルトカレーさん)
でした!
次回のお題は「秋の風」「萩」で募集します。
お題にこだわらない句も歓迎ですよ。
初心者の方も、子どもさんも大歓迎!どんどんご応募下さいね!
〒650-8580 ラジオ関西 寺谷一紀のまいど!まいど! 「まごころ歳時記」係
※これまで紹介しました句をポッドキャストで聞くことが出来ます。
講評 大森保延さん
1954年、 辯天宗宗務総長大森慈祥氏と結婚。
1960年得度、1965年辯天宗婦人部総裁に就任。
文化活動奨励室部長として、茶華道・俳句・絵画など辯天宗文化部の発展に寄与。
1995年、 大和礼法弁才御流興隆。
1996年、大阪府より文化芸術表彰を受ける。
1997年茨木西ロータリークラブ会長。
2009〜2010年RI2660地区IM2組ガバナー補佐に就任。
大阪府更正保護協会理事。
茨木市更正保護推進協議会副会長。
コーナー提供